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2012.02.01

「伝統建築」「自然素材」施主の思いに応える技(新建新聞掲載)

今では、非常に珍しくなった土壁の家。長野市内で、11月の晴れた日に土壁の荒壁塗りが行われていた。
葦(ヨシ)とワラすべ縄で組み上げる、壁の下地となる「小舞」かきの作業には約10日間かかったという。
中野市豊田産の練り土に、細かく切ったワラを現場で練り込み、10人の左官職人が声を掛け合い、壁土を手渡ししながら塗り込み作業を行っていた。土の量は約6㎥で、2日間で片面を仕上げ、残る片面の荒壁塗りは来春となる。
伝統構法の住宅や、古民家再生なども手掛ける中野市の勝山建設の現場。
施主の徹底した伝統建築や自然素材へのこだわりから、床、天井、腰壁などの無垢材使用はもとより、築140年を経た古民家材を再利用。家の東西6間を一本で貫く中引き梁をはじめ、大黒柱、差し鴨居、梁など全面的に使っている。壁は内外とも柱・梁などが見える、真壁の土壁漆喰仕上げの家が来春には完成する。
勝山建設では、従来からの古材ストック加工だけでなく、木材調達も含めた「手刻み加工代行」の請負い業務を開始したという。
(新建新聞 2011年12月15日 掲載)